前半カラーページでタンゴ、ブラジル、日本の興味深い音楽話題がたっぷりですが、80ページからの書きおろし現地レポートも、お忘れなく♪
『アルゼンチン・パチャママ紀行 ~若きコプレーラ、アンドレアを訪ねて』
(コプレーラ Coplera とは、コプラという山唄を謡う謡い手女性=山唄謡いの女性歌手のことです。)

今年の旅では、ひさびさにアルゼンチンの地方に足を伸ばしました。
・・・というのも、
アルゼンチンのもう一つの音楽の郷
トゥクマンへ行ってみたい!
とつねづね思っていました。
トゥクマンとはどんな所?
アルゼンチンの北部トゥクマン州の州都
正式名称 サン・ミゲル・デ・トゥクマン (San Miguel de Tucumán)
5月25日の革命記念日と並び、アルゼンチン国民にとってもっとも大切な
7月9日独立記念宣言が行われた場所なのです。
文献によると"1816年7月9日トゥクマン州サン・ミゲル・デ・トゥクマンのCasa de Tucumán(トゥクマンの家)において会議がなされ、リオ・デ・ラ・プラタ連合州の独立が宣言された"そうです
また音楽的にも重要な街で、
アルゼンチン・フォルクローレはもとより
南米音楽を代表する音楽家たちを多数輩出した街。
例えば、
アタウアルパ・ユパンキ
名曲「トゥクマンの月」を生んだ偉大な歌手・作曲家
メルセデス・ソーサ
南米の母なる声( La voz de Latinoamérica) と言われている
エドゥアルド・ファルーは、
1960年代から度々来日した数々の名曲を残した名ギタリスト・歌手です。
また昨年音楽生活50年めに初来日を遂げたギタリスト
フアン・ファルーはその甥です。
いまやその演奏と歌のみならず、彼の発する言葉は大変重みがあり多くのアルゼンチン人音楽家の尊敬を集めています。
また、伝承音楽の収集に尽力した音楽研究家でもあった女性歌手・作曲家
レダ・バジャダレスもトゥクマンの出身です。
そして私のもうひとつの目的は、というと・・・
アンデス地方の民間信仰「パチャママのお祭り」を見たい!
でした。なにかでトゥクマンでパチャママのフェスティバルが続いているというのを目にして、以来日本語資料はほとんどなく、ぜひ直接行って見てみたいと温めていたのです。
(パチャママはアンデス地方の民間信仰でその土地土地で微妙に祀られ方等違いがあるようです。)

年輪をかさねた山唄謡いのおばあちゃんたち、代々祖母から子・孫へと引き継がれる織物、そのてしごとと手法、
それらをカラフルで美しい民族衣装に仕上げ、シンプルなヤギの革を貼った太鼓カハ(Caja)を叩きながら唄う・・・
おそらくアルゼンチンがアルゼンチンという国を成す以前からずっと続いてきたいとなみ・・・
若きコプラ謡いアンドレアに出逢い、偶然体験したパチャママを祀る儀式の様子をレポートしました。
実は、ジャズやポップス、ブラジル音楽などの要素を取り入れた「現代アルゼンチン音楽」を少し聴きこんでいる方にはお馴染みのアカ・セカ・トリオのリーダー、優れたギタリストで作曲家のフアン・キンテーロもトゥクマンのご出身であるので、彼にまず来週からトゥクマンへ音楽を訪ねる旅をするつもりなんだけど、と相談して、そこからつながった旅でした。
コプラ謡いのアンドレアとは、顔を見るまで、会えるかどうかもわかりませんでした。なにも体験出来ず、お祭りだけ見て帰ることも覚悟していた旅でした。
あやうく帰りのバスチケットを取り損なうはめになり、その後のパラグアイ、ボリビア旅行の予定に影響をきたす恐れさえありました。ここでは日本人の奥ゆかしさをもった態度はあだとなるので、一所懸命主張して難を逃れることが出来たのです。
(パチャママまでの旅については別途レポートします)
ラティーナに写真と共に掲載頂いた3ページのレポートは、たくさんの人々の善意とご協力と、幸運の小さな歯車がうまく噛み合ってみちびかれた体験だと実感しています。
この旅をサポートしてくれた旅行社、友人たちと企画を取り上げて下さったラティーナに心より感謝します。
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同じく 『ラティーナ6月号』の78ページには、再来日が期待されていたものの、4月5日パリにて78歳でこの世を去ったタンゴ・ネグロ・トリオ等で知られるフアン・カルロス・カセレス(TANGO NEGRO TRIO)の西村秀人執筆による追悼記事も掲載されています。長年パリに暮らしトロンボーンとピアノと特徴あるハスキーボイスによるタンゴがアイコンだったカセレス氏。
2007年11月に来日、東京・名古屋・神戸・福岡で公演を行い、独自のアフロタンゴへの解釈と音楽スタイルで日本のダンス愛好家たちと音楽愛好家たち両方のタンゴファンにとても愛された稀有な音楽家です。ディスコグラフィーとともに在りし日の活躍を振り返る内容です。
その記事の中で、私が名古屋公演で撮影したライブ写真2枚をご採用頂きました。
マエストロの鋭い眼光にドキリとしながら、ファインダーを見つめたあの日の記憶が今も忘れられないのです。
ぜひご覧下さい。

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弊ブログの読者の間ではおなじみ、アルゼンチン・ロック&エスペリメンタル音楽の流れをもつSSWフロレンシア・ルイス。
ゆったりとしたリズムの中、やさしくきよらかな歌声とつまびくギターによる彼女の歌が話題になっています。
毎週水曜22時からフジTV系で放送のドラマ『心がポキっとね』
心に傷をもつ阿部サダヲ演じる主人公が登場するシーンなどで流れる、劇中曲(挿入歌?)にフロレンシア・ルイスの新曲が2流れています。
『ラティーナ6月号』58ページ下段には、そのドラマとフロレンシア・ルイスに関する話題が詳細にレポートされており、読み応えありです。

弊ブログにも先日書きましたが、5月27日にサントラ盤も発売されました。
2曲についてのスペイン語と日本語訳の歌詞付きリーフレット入り。
※ドラマの方は残念ながら、6月10日(水)22時~放送で最終回となります!
話が面白くなってきた所なので残念(>_<)

昨年に続き、今夏も来日が予定されていますね!!!
8月21日から始まる音楽フェス『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド(富山)』出演を皮切りにヤヒロトモヒロ、鬼怒無月、佐野篤によるロス・オンゴス・オリエンタレスと日本ツアーが楽しみです。
詳細はFlorencia RuizのFacebook

このブログでもチェックして分かり次第UPしますね。
ラティーナのカラーページは以下のようにもりだくさん。ぜひお手にとってみて下さい。
もし店頭にない場合お取り寄せ、在庫があればAmazon、もちろんラティーナの通販ページで購入が可能です。
(カラーページの要約)
"PaPiTaMuSiCa"でもサポート中の中島ノブユキさんの待望の新譜とコンサートツアーの話題や、7月に名古屋でSayacaさんとの共演でご公演頂く青木菜穂子さんの出演された東京タンゴ祭のレポート、(個人的にも大好きな)ブラジル・サンパウロ前衛派ナー・オゼッチ&ゼー・ミゲル・ヴィニスキの新譜、アルゼンチンのコンテンポラリーなポップス系フォルクローレ、フリアン・モウリンやタンゴの神様ガルデルの新事実?に関する関連記事etc.

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